ナノ不規則強誘電体におけるスケールフリー光学と無回折波

波長によって、伝搬中に波面を歪ませる回折が厳密に決まり、イメージングや顕微鏡法、通信に根本的な制約が与えられる。 この歪みは、導波路を用いたり、非線形性を利用してソリトンを発生させたりすることによって防ぎうる。しかし、いずれの場合も、回折は相殺されるだけなので、依然として波長によって波の形状やサイズ、ソリトン強度に厳密な法則が課せられる。非線形性によって、新しい空間スケールの導入も可能になる。 原理的には、波長を無効にする強度に依存しないスケールを導入する非線形性を識別できれば、「スケールフリー」伝搬が起こりうる。この領域では、回折がなくなり、波形は歪まずに自然に伝搬し、あらゆるサイズと強度のソリトンが（任意に低いものも）形成されるであろう。今回我々は、最近開発された非平衡強誘電体である過冷却銅ドープKTN:Liにおけるスケールフリー光伝搬の初の実験的証拠を提示する。回折を単に相殺するのではなく、無効にできるので、超解像イメージングや顕微鏡法の全く新しいパラダイムにつながることを、この結果は示している。