Letter
中赤外HgTeコロイド量子ドット光検出器
Nature Photonics 5, 8 doi: 10.1038/nphoton.2011.142
現代の赤外線撮像デバイスは、バルク材料や量子閉じ込めエピタキシャル材料を利用しており、高い動作温度と低い価格による恩恵が大きいと思われる。コロイド量子ドット技術を利用した撮像チップを用いれば、手頃で安価な撮像デバイスが得られるかもしれないが、これまでのところ、コロイド量子ドットの動作スペクトル領域は限られたものである。本論文では、これまでコロイド材料について報告された中で最長のバンド間吸収波長である5 µm以上の波長で室温光応答を示すコロイドHgTe量子ドット光検出器について報告する。この光検出器は、コロイド溶液から作製されており、ドロップキャスト法で電極上に薄膜として形成された。3~5 µmの中波長赤外線を透過する重要な「大気の窓」領域をカバーする動作が実証されている。