Letter 光学的引張力(Optical pulling force) 2011年7月24日 Nature Photonics 5, 9 doi: 10.1038/nphoton.2011.153 光子はkの運動量を持つ。このため、光は光路に存在するあらゆる物体を散乱力によって「押す」と予想できるかもしれない。強度勾配がない場合、1本の光ビームを使って1個の粒子を後ろ向きに引っ張ることは、直観に反している。今回我々は、平衡点がなく光源に向かってずっと粒子を引っ張り続ける後方散乱力を実現できることを示す。その基礎となる物理過程は、放射多極子の干渉による前方散乱の最大化である。我々は、負の(引張)光学力を実現するための必要条件が粒子における多極子の同時励起であり、伝搬方向の全光子運動量の射影が小さいなら光学的引力が生じうることをはっきりと示している。この光学的引力の実現可能性によって、もう1つの自由度として光マイクロマニピュレーションに「引張」が加わる。 Full text PDF 目次へ戻る