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離れたフォトニックナノ共振器間の強い結合とその動的制御
Nature Photonics 6, 1 doi: 10.1038/nphoton.2011.286
任意の位置にあるオンチップのフォトニックナノ構造体の間に結合状態を形成し、その状態を動的に制御することは、光の停止/減速や量子情報処理などの高い機能を持つ次世代フォトニック回路を実現するうえで重要になる。今回我々は、遠くにあるきわめてQの高いフォトニックナノ共振器に対して強い結合とその動的制御を実現できることを実証している。我々は、状態密度を調整した導波路により間接的に結合された、Q値が400,000を越える一対のナノ共振器を使っている。意外なことに、ナノ共振器間の距離が波長の100倍を越えても、ラビ振動が明瞭に観測された。これはナノ共振器の強い結合を示している。この振動によって、周期54 psで光子がナノ共振器間で交換され、光子は導波路ではなくナノ共振器に集中する。また、いずれかの共振器の特性を動的に制御することにより、この光子交換をオンデマンドで停止でき、光子状態が凍結される。