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シリコン系光起電力技術を発展させるための相互作用ナノ結晶間でのキャリア増倍
Nature Photonics 6, 10 doi: 10.1038/nphoton.2012.206
太陽放射を効率よく電流に変換することは、現代の科学研究において最も重要な主題の1つである。太陽放射には、クリーンな再生可能エネルギー源として大きな可能性があるからである。ナノ結晶間の相互作用の利用は、第3世代の光起電力技術を確立する有望な手段であると思われる。今回我々は、完全ab initio方式を採用して、相互作用するシリコンナノ結晶のキャリア増倍ダイナミクスにおけるナノ粒子の相互作用の役割を推定している。エネルギー・電荷移動に基づくキャリア増倍事象を、ナノ結晶間隔の関数として調べ、波動関数共有領域によってもたらされる利点を実証している。我々は、シリコンナノ結晶が高密度アレイ状に配列している場合、これらの再結合機構が光起電力応用にふさわしいことを証明しており、どの条件が最大の結果をもたらすかを原子スケールで定量化している。