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極端紫外域のFERMIシード型自由電子レーザーからの高コヒーレント安定パルス
Nature Photonics 6, 10 doi: 10.1038/nphoton.2012.233
自由電子レーザー(FEL)は、極端紫外・X線スペクトル領域でレーザーに似た特性を持つ光を生成する有望な装置である。自己増幅自発放射(SASE)機構に基づくFELは、ショットごとの強度や光子エネルギーのゆらぎが比較的大きいうえに、SASE機構によりもともと縦方向のコヒーレンスが制限されるにもかかわらず、最近、回折や分光の応用分野を大きく進歩させた。今回我々は、高利得の高調波生成構成を利用した、外部レーザーで発光過程を開始するFERMIシード型FELの初期性能に関する結果を報告する。FERMI FEL-1光源からの発光はパルスの形で起こり、エネルギーはパルス当たり数十マイクロジュールで、65 ~ 20 nmの波長範囲にわたって調節できる。さらに、これまでにないショットごとの波長安定性と低強度ゆらぎを示し、変換限界帯域幅に近く、横方向と縦方向のコヒーレンスを持ち、偏光の完全制御が可能である。