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魚における非偏光性広帯域多層反射体

Nature Photonics 6, 11 doi: 10.1038/nphoton.2012.260

非偏光性の誘電体多層反射器は重要な光学デバイスであり、光ファイバーや誘電体導波路、発光ダイオードに数多くの用途がある。今回我々は、3種の魚の広帯域グアニン-細胞質「銀色」多層反射体に見られる生物学的な非偏光光学機構の解析結果について報告する。それらの魚の銀色の皮下層には2種類の複屈折グアニン結晶が存在し、片方は光軸が結晶の長軸に対して平行であり、もう片方は光軸が結晶面に対して垂直である。それぞれの界面のブリュースター角が違うため、こうした配置によって反射の偏光が相殺される。これらの魚における反射機構は、反射体の低屈折率層と外部環境との屈折率差がないという重要な点で、既存の非偏光ミラー設計とは異なっている。この機構であれば、容易に製造できるうえ人工光学デバイスに利用できる可能性がある。

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