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修飾グラフェン・アノードを用いた極めて効率のよいフレキシブル有機発光ダイオード

Nature Photonics 6, 2 doi: 10.1038/nphoton.2011.318

グラフェン膜は、有機発光ダイオード(OLED)の酸化インジウムスズ・アノードに代わって使われる大きな可能性を秘めているが、これまでのところ、グラフェン膜の低い仕事関数を高くし、シート抵抗を電極に必要なレベルまで低くする効果的な方法がなかったため、グラフェン・アノードを用いたOLEDの発光効率は高くできなかった。今回我々は、仕事関数を高く、シート抵抗を低くするためにグラフェン・アノードを修飾して、フレキシブルOLEDを作製し、これにより極めて高い発光効率(蛍光OLEDで37.2 lm W–1、りん光OLEDで102.7 lm W–1)を実現している。これらの値は、酸化インジウムスズ・アノードを用いた最適化デバイスの値(蛍光OLEDで24.1 lm W–1、りん光OLEDで85.6 lm W–1)よりもかなり高い。さらに我々は、このグラフェン・アノードを用いてフレキシブル白色OLED照明デバイスも作製している。これらの結果は、グラフェン・アノードがさまざまな高性能フレキシブル有機オプトエレクトロニクス機器に使用できる可能性が大きいことを実証するものである。

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