Letter
冷却原子における分布帰還による光パラメトリック発振
Nature Photonics 6, 2 doi: 10.1038/nphoton.2011.320
不規則性(利得媒質における多重散乱)あるいは規則性(多重ブラッグ反射)によって電磁フィードバックが得られるミラーレスレーザー発振システムに、現在、強い関心が寄せられている。これらの機構は、それぞれ、ランダムレーザーとフォトニック結晶レーザーに対応する。また、規則性と不規則性の間の領域、すなわち相関不規則性の研究が行われ、成功した例もある。今回我々は、利得とフィードバックが同時に得られる冷却原子雲による一次元フォトニック結晶レーザー発振(すなわち、分布帰還レーザー発振)について報告する。これらの原子は一次元格子にトラップされ、密度変調が生じ、小入射角で強いブラッグ反射が起こる。補助ビームによる原子のポンピングによって四波混合が起こり、パラメトリック利得が得られる。両者を組み合わせると、ミラーレス・パラメトリック発振が起こり、円錐状の出力発光が生じる。その頂角は格子の周期性で調節できる。