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8光子エンタングルメントの観測

Nature Photonics 6, 4 doi: 10.1038/nphoton.2011.354

多粒子エンタングル状態の規模を大きくすることは、それ自体が基礎科学的な試みであるばかりでなく、量子情報を実現する技術でもある。よりキュービットの多い多粒子エンタングルメントを発生させるために、途方もない実験的努力がささげられてきた。これまでのところ、空間的に分離された単一光子が最高で6個、パラメトリック下方変換によってエンタングルされている。また、単一光子の多自由度を利用して、ハイパーエンタングル状態も生成されている。今回我々は、もつれ光子対の新しい超高輝度光源、8光子干渉計およびポストセレクション検出を利用して、純粋な多粒子エンタングルメントを示す8光子シュレーディンガー猫状態の生成を初めて実証している。8個の個々の光子を制御できることは、光量子計算へ向けて一歩踏み出したことを意味しており、そのような制御によって、たとえば量子シミュレーション、トポロジカル誤り訂正、デコヒーレンス下でのエンタングルメントダイナミクスの検証などに関する新しい実験が可能になるであろう。

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