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ナノ共振器を利用した超低電力全光RAM

Nature Photonics 6, 4 doi: 10.1038/nphoton.2012.2

光ランダムアクセスメモリー (o-RAM)は、電子回路のさまざまな機能性をフォトニック回路で置き換えるという点で、最も困難な課題の1つとみなされてきた。それにもかかわらず、光ルーティングや光処理においてo-RAMは主要デバイスとなっている。今回我々は、超小型埋め込みヘテロ構造設計のフォトニック結晶ナノ共振器によって、これまでo-RAMが直面した問題をほとんど解決できることを実証している。我々は、光子とキャリアの強い閉じ込めを利用し、熱を効率よく逃がすことによって、消費電力がわずか30 nW(これまでの記録の300分の1以下)の全光RAMを実現し、連続動作を達成した。さらに、我々は、全光RAMの多ビット集積化の実現可能性も実証している。この結果は、高ビットレート光信号を処理できる低電力大規模o-RAMシステムの構築に向けて道を開くものである。

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