Letter
量子ドットのMollow三重項サイドバンドからのカスケード単一光子放出
Nature Photonics 6, 4 doi: 10.1038/nphoton.2012.23
共鳴励起された量子発光体からの発光は、さまざまなタイプの量子光場を発生させる有用な光源であり、量子光学分野では興味深い研究課題となっている。共鳴スペクトルは単一のスペクトル線からなるが、量子発光体の飽和を超えると三重項に変化する。共鳴蛍光からの3つの間隔の狭い光子チャネルは、異なる光子統計特性を持つ。我々は、固体系人工原子、すなわち半導体量子ドットからの共鳴蛍光発光三重項の詳細な光子統計解析について報告する。光子相関測定によって、Mollow三重項サイドバンドから「単一」および「カスケード」光子放出を実証している。また、高輝度狭サイドバンド発光(毎秒5.9 × 106個の光子が第一レンズへ)は、 線幅(Δv ≈ 1.0 GHz)の15倍を超えるレーザー離調によって容易に周波数調整できる。このように独特な特性があるため、Mollow 三重項サイドバンド発光は、例えば量子光分光や量子情報用途に役立つ光源になる。