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メタマテリアル用とプラズモニクス用の導体としてのグラフェン、超伝導体、金属の比較
Nature Photonics 6, 4 doi: 10.1038/nphoton.2012.27
メタマテリアルとプラズモニクスが最近進展したため、多数のおもしろい応用が、特にテラヘルツ周波数と光周波数において有望になってきた。残念なことに、これらのフォトニック構造体に使われる貴金属は高周波数においては特に良好な導体ではなく、著しい散逸損失を生じる。本論文では、メタマテリアル用とプラズモニクス用として何が良好な導体となるかという問題を調べている。共鳴メタマテリアルに対しては、メタマテリアルに生じる散逸損失に従って導電性材料を直接分類できる、導体の性能指数を考案した。この方法を適用すると、グラフェンと高Tc超伝導体はメタマテリアルにおける金属の有望な代替材料ではないと予測される。また、多数の遷移金属、アルカリ金属、透明導電性酸化物についても概観している。プラズモニクス系に対しては、グラフェンと高Tc超伝導体は、表面プラズモンポラリトンのプラットホームとして金ほど良い性能を発揮できないと予測する。それはグラフェンのほうが波長に対する伝搬長の比が小さいためである。