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三重項から一重項へ状態変換する高効率逆項間交差を利用した有機発光ダイオード
Nature Photonics 6, 4 doi: 10.1038/nphoton.2012.31
蛍光物質を利用した有機発光ダイオードからの発光では、一般的に内部量子効率がせいぜい25%に限られている。これは、非放射性の三重項励起状態が生成されるためである。今回我々は、電子供与性分子と電子受容性分子を利用して、非放射性三重項状態と放射性一重項励起状態の間で86.5%という非常に高い逆項間交差が可能になり、これによりエレクトロルミネッセンス増強法を実現できることを報告する。電子供与性物質としてm-MTDATA、電子受容性物質として3TPYMBを用いて作製した有機発光ダイオードは、5.4%という高い外部量子効率を達成できることを実証している。我々は、慎重な物質選択によって、将来この方法でもっと高い値を達成できるようになると考えている。