Letter
プラズモニックナノ共振器における自然放出の大幅な増強
Nature Photonics 6, 7 doi: 10.1038/nphoton.2012.112
共振器-発光体結合によって、低しきい値レーザーから量子暗号用の高輝度単一光子源まで、量子光学における多くの潜在的応用が実現されうる。自発放出の変化の初の実証例のうちいくつかは金属構造体で行われたが、量子光学応用に金属系光共振器が検討されたのは、誘電体光共振器において共振器量子電磁力学効果が最近実証された後のことであった。金属-光共振器の利点としては、多種多様な発光体に適用できることや、共振器スペクトルの帯域幅が広いことがある。これにより、スペクトル幅の広い発光体の性能を向上できる。今回我々は、銀ナノワイヤーと銀基板の間のナノスケールギャップと結合した発光体について、1,000倍近い放射放出レートの増大を実証している。我々の結果と解析理論とを定量的に比較したところ、金属表面に接近しているにもかかわらず、我々の構造体ではギャップモード・プラズモンの放出レートの増大によって内部量子効率が向上しうることが示されている。