Letter
異常スケーリング則によるナノスケールの三次元無限共振器の実験的実現
Nature Photonics 6, 7 doi: 10.1038/nphoton.2012.124
メタマテリアルは、自然界では得られない異常な電磁特性を可能にする。特に、双曲分散を持つ無限媒体は、興味深い応用が見いだされている。光共振器の小型化によって光子状態密度が増加するため、現代の光エレクトロニクスに利用される光-物質相互作用が増大する。しかし、光共振器のスケールダウンは、回折限界までに限定され、Q値の低下による制限を受ける。今回我々は、電磁場をきわめて小さい空間に閉じ込める無限メタマテリアルでできた光共振器を実験的に実証する。この実験によって、無限共振器が異常スケーリング則を示すことが明らかになっている。つまり、異なるサイズの共振器が同じ周波数で共振し、高次の共振モードが低い周波数で振動する。さらに我々は、波数ベクトルの放射Q値について普遍的な1/4乗則も実証している。最小でλ/12のサイズの共振器が非常に高い光屈折率(最高17.4)で実現されている。これは多くの応用にとってきわめて重要な特徴である。