Letter
反射防止膜を被覆した高屈折率チタニア微小球を使ったナノニュートン光力トラップ
Nature Photonics 6, 7 doi: 10.1038/nphoton.2012.140
光ピンセットは位置と力の優れた変換器であり、物理学、生物学、材料科学といったさまざまな分野の高分解能測定に幅広く使われている。通常、小さい誘電体粒子が強く集束したレーザー中に捕獲され、これらは高感度な力測定を行う手がかりとして良く使われる。この技術の改良は、大部分が装置の改良と光ビームの成形に重点を置いており、捕獲される物体をカスタマイズする利点を調べた研究はほとんどなかった。今回我々は、チタニアからなる反射防止膜を被覆した高屈折率のコア‐シェル粒子によって、ナノニュートンより大きな光力による単一ビーム光トラッピングがどのように可能となるかについて述べる。力の範囲が大きくなったため、実行可能な光トラッピング実験の範囲が広がり、より効率的な光から動力を得る小型の機械やツールなどの応用に向けた道が開かれるであろう。