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グラフェン光エレクトロニクスにおける再生発振と四波混合

Nature Photonics 6, 8 doi: 10.1038/nphoton.2012.147

純粋に2次元のディラックフェルミオン構造体のグラフェンは、線形かつ質量がゼロの独特なバンド構造を持つため、固体物理から、電気、熱、機械、光学の領域にわたるナノスケールデバイス応用までさまざまな分野において精力的な研究が行われている。今回我々は、グラフェン‐シリコンハイブリッド光エレクトロニクスデバイスにおいて連続して初めて観測した3つの結果を報告する。この3つの結果は、きわめて低パワーの共鳴光双安定性、自己誘起再生発振、コヒーレント四波混合であり、すべて数フェムトジュールの共振器再循環エネルギーで起こる。これらの観測結果は、モノリシックシリコン共振器単独の対照測定の結果と比較すると、グラフェンのきわめて大きく超高速のχ(3)非線形性と、波長局在フォトニック結晶共振器の大きいQ/V比によってのみ可能となっている。これらの3次非線形性の結果から、次世代のチップスケールの高速光通信、高周波光エレクトロニクス、全光信号処理に向けた2次元グラフェン-シリコンハイブリッドナノフォトニックデバイスの実現可能性と汎用性が実証された。

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