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近赤外光の広帯域色素増感アップコンバージョン

Nature Photonics 6, 8 doi: 10.1038/nphoton.2012.158

近赤外光子の光子アップコンバージョンは、単接合太陽電池のShockley–Queisser効率限界(32%)を克服する方法として有望である。しかし、中程度の光強度で最高効率を示す既知のアップコンバージョン材料は、近赤外の吸収が極端に弱く帯域幅が狭いため、実用化される可能性は小さい。今回我々は、アップコンバージョンが起こるβ-NaYF4:Yb,Erナノ粒子のアンテナとして有機近赤外色素を用いたアップコンバージョン材料のコンセプトを紹介する。アップコンバーターの吸収率の増加と吸収スペクトルの全体的な広帯域化の結果、色素増感ナノ粒子による全体的なアップコンバージョンが劇的に向上した(約3,300倍)。吸収スペクトルが重なる色素分子群を適当なアップコンバーターに結合して、極端に帯域幅の広いアンテナシステムとして機能させれば、今回提案したコンセプトを拡張して太陽光スペクトルのあらゆる部分をカバーできるようになる。

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