Letter
単一光子による超高速全光スイッチング
Nature Photonics 6, 9 doi: 10.1038/nphoton.2012.181
量子光学における現時点で未達成の目標は、単一光子レベルで高速光学非線形性を実現することである。これによって、単一光子スイッチ/トランジスターや制御位相ゲートなどの新しい機能を持つ光学デバイスの実現が可能になるであろう。単一エミッターレベルでの非線形光学効果が多くの系で実証されてきたが、これらの実験では超高速の時間スケールでの単一光子スイッチングは示されなかった。今回我々は、二色パルス分光を行い、強く結合した量子ドット-共振器系では、基本ポラリトン遷移の1つに単一光子が存在すると、第一から第二のジェインズ・カミングスマニフォールドへの遷移時に光散乱が起こることを実証している。この単一光子全光スイッチの全スイッチング時間は約50 psである。加えて我々は、単一光子非線形性を利用してパルス相関器を実現している。我々の量子ドット-共振器系は、量子領域で動作する未来の高帯域幅フォトニックネットワークの構成要素になるかもしれない。