Letter
一方向アインシュタイン・ポドルスキー・ローゼンのステアリングの観測
Nature Photonics 6, 9 doi: 10.1038/nphoton.2012.202
量子物理学に特有の非古典的特徴は、アインシュタイン、ポドルスキー、ローゼン(EPR)による独創的な論文で1935年に初めて論じられた。シュレディンガーは、迅速な返報で、現在では量子計測や量子情報に不可欠なリソースと見なされているエンタングルメントの考えを導入した。さらに、彼がステアリングと呼ぶ現象がEPRの議論の核心であることを示した。エンタングルメントやベル不等式の破れとは異なり、ステアリングは当事者間の方向を含んでいる。最近の理論的研究によって、この特性が正確に定義されたが、一方向のみのステアリングを示す二分状態があるのかについて疑問が生じている。今回我々は、一方向のステアリング効果を実際に示すが反対方向は示さない2つのエンタングルガウスモードの光を実験的に実現したことについて報告する。今回生じた一方向ステアリングは量子物理学に新しい知見をもたらすものであり、これにより量子情報に新しい応用分野が開かれるかもしれない。