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古典的光学コヒーレンスにおけるベル測定
Nature Photonics 7, 1 doi: 10.1038/nphoton.2012.312
古典的コヒーレンス理論における光場の統計的記述は、計測学、顕微鏡法、リソグラフィー、天文学における多くの応用の土台となっている。部分的コヒーレンスは、光源で生じるか、ランダム媒質を通過すると発生する基本的なゆらぎに起因すると考えられることが多い。あまり認められていない不確定性(部分的コヒーレンス)の起源として、あるビームの自由度と結合している(すなわち古典的にもつれている)別の自由度を観測する際、他方の自由度を無視する行為に由来するものがある。今回我々は、量子非局在性の検証に一般的に用いられるベル測定を、古典的光学コヒーレンスにおける定量的ツールとして利用して、統計的ゆらぎに関連する固有のインコヒーレンスと相関(すなわちもつれ)に基づくインコヒーレンスを区別できる可能性を示している。我々の結果は、量子情報科学において最近発展してきた概念が古典的光学コヒーレンス理論や光学的信号処理に適用できることを実証するものである。