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3次元における光の局在への転移の直接測定
Nature Photonics 7, 1 doi: 10.1038/nphoton.2012.313
3次元媒質における拡散的な波の輸送は、不規則性が増加するにつれ、輸送のない状態への相転移を示すはずである。この転移は、金属絶縁体転移との関連でアンダーソンによって初めて論じられたが、後に分かったように、すべての波にかかわる一般的なものである。しかし、3次元における「アンダーソン」局在の実験的実証をめざすことは、難しい課題であった。電子や冷却原子の場合、課題は不規則ポテンシャルにおける束縛状態の可能性にある。したがって、電磁波や音波がアンダーソン局在観測の最有力候補となった。光を用いる際の主な課題は、吸収の効果と局在化の効果を区別することにある。今回我々は、吸収に関係なく局在長さの直接測定を可能にする、透過光強度分布の横方向幅の時間依存性を測定したことを報告する。この結果から、3次元における局在転移の直接的証拠が得られている。