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ジャイロイドフォトニック液晶に基づく小型キラルビームスプリッター
Nature Photonics 7, 10 doi: 10.1038/nphoton.2013.233
直線偏光ビームスプリッターは、フォトニクスにおいて広く使われる光学部品である。直線偏光ビームスプリッターは、一般的に方解石などの直線複屈折結晶から作られ、s偏光とp偏光で臨界反射角が異なるため、一方の直線偏光は透過し、もう一方の直線偏光はある角度で反射する。しかし、同様に円偏光を分離するビームスプリッターは、十分な円複屈折を持つ自然界の物質がないために、まだ実証されていなかった。今回我々は、円偏光の分離を実現する、ナノスケールで製作されたフォトニック結晶キラルビームスプリッターを報告する。このビームスプリッターは、ナノスケールのキラルジャイロイドネットワークを特徴とするプリズムでできていて、約1.615 μmの波長域で左円偏光と右円偏光を分離することができる。この構造体は、ガルボミラー・ディザリングによる直接レーザー書き込みで製作され、新たな形の偏光制御をもたらすフォトニック集積回路の開発において有用な部品になる可能性がある。