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ファイバーレーザーにおける層流乱流遷移

Nature Photonics 7, 10 doi: 10.1038/nphoton.2013.246

線形安定なコヒーレント層流状態から非常に無秩序な乱流状態への遷移を研究することは、概念的にも技術的にも難しいが、パイプやチャネルの流れは全てそういった種類のものなので、非常に興味深い。光学分野では、空間的サイズや励起強度の増加とともに系がどのようにしてコヒーレンスを失うかを理解することは、実用上重要な基本的問題である。今回我々は、層流領域と乱流領域の両方で動作するファイバーレーザーの研究について報告する。我々は、層流相が一次元コヒーレント凝縮体に類似しており、乱流の始まりが空間コヒーレンスの喪失に起因することを示す。今回の研究結果は、レーザーにおける層流乱流遷移がダークソリトンとグレーソリトンのクラスター化による凝縮体の破壊に起因することを示唆している。この知見は、コヒーレント光学デバイスや熱力学的平衡から大きく外れて動作するシステムの設計に役立つ可能性がある。

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