Article
全光通信帯域をカバーするCMOSコンパチブル・グラフェン光検出器
Nature Photonics 7, 11 doi: 10.1038/nphoton.2013.240
光インターコネクトは、チップ内やチップ間の通信リンクにおいて、電気配線に代わる魅力的な代替技術になりつつある。特に、シリコンの相補型金属酸化膜半導体(CMOS)技術との組み合わせには、単一チップ上に電子素子と光学素子を高い費用効率で集積化できるため、大きな関心が寄せられてきた。シリコンによって、光導波路や受動部品を実現できるが、光検出には別の光吸収材料を組み込む必要がある。従来、この目的にはゲルマニウムや化合物半導体が用いられているが、それらとシリコン技術の統合が大きな課題となっている。最近、光検出などのオプトエレクトロニクスに使用できる代替材料として、グラフェンが現れた。今回我々は、グラフェンを利用した超広帯域CMOSコンパチブル光検出器を実証している。我々は、応答度がバンドギャップによって制限されるひずみゲルマニウム光検出器を超える波長範囲で、光ファイバー通信帯域全域にわたってマルチギガヘルツ動作を実現した。今回の成果は、最近のCMOS集積化グラフェン電気光学変調器の実証を補完するものであり、カーボン系光インターコネクトへの道を開く。