Article

重力レンズ効果をまねて光を捉える

Nature Photonics 7, 11 doi: 10.1038/nphoton.2013.247

一般相対性理論の最も魅惑的な予測の1つは、質量の大きな恒星のような天体の近くで光が曲がる重力レンズ効果である。近年、人工光学材料を使って、光の捕捉やホーキング放射を含む、曲がった時空のさまざまな側面を研究することが提案されている。しかし、曲がった時空における重力レンズ効果を模擬する実験的なトイモデルの開発は、特に可視光では課題として残っている。今回我々は、微小球の周りの微細構造光導波路を利用して、重力によって曲がった時空を高い精度で模擬することを提案する。我々は、静水圧平衡にある天体の、遠距離場での重力レンズ効果と光子球(光子が重力により周回軌道をとる半径の球)の近くでの臨界現象の両方を実験的に実証している。我々が提案した微細構造光導波路は、全方向吸収体として使うことができ、集光や微小共振器に応用できる可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度