Article
2段階シード型軟X線自由電子レーザー
Nature Photonics 7, 11 doi: 10.1038/nphoton.2013.277
我々は、フレッシュバンチ2段階高調波アップシフト構成で動作するシード型自由電子レーザー(FEL)によって生成される第1世代のコヒーレント・波長可変偏光可変軟X線フェムト秒パルスについて報告する。このFEL構成が、最終波長10.8 nm以下においてエネルギーが数十マイクロジュールでパルス間波長ジッターが小さい、狭スペクトル帯域幅の単一横モード出力パルスを生成できることが、放射の特性評価によって明らかになっている。フレッシュバンチ構成は、第1段FELの相互作用によるエネルギーの広がりに起因する利得低下を避けることによって、高調波の高次のFEL放射を強める。最短で4.3 nmのコヒーレント信号が測定されていることから、この構成が、多くの磁性材料のL端の利用を含む炭素K端未満の科学研究を可能にする光子エネルギーまで直接拡張でき、フーリエ変換限界に近いパルスを用いる軟X線領域の実験の扉を開くパルスエネルギーが得られることが示唆されている。