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高データレート・ワイヤレス・サブTHz通信システム
Nature Photonics 7, 12 doi: 10.1038/nphoton.2013.275
0.1~30 THzの周波数範囲は、通信において基本的に未知の領域である。高い搬送周波数によってこれまでにないチャンネル容量が期待できるので、最近、このテラヘルツギャップに重点を置いた研究がなされている。実際、データレートは2015年に100 Gbit s−1になると予測された。今回我々は、20 mの距離にわたって100 Gbit s−1のデータレートでデータを伝送する237.5 GHzの単一入力単一出力ワイヤレス通信システムについて初めて報告する。この画期的な成果は、テラヘルツフォトニクスとエレクトロニクスを組み合わせることによって得られたものである。まず、単一走行キャリアフォトダイオードにおいて、モードロックレーザーのコムラインの混合によって、狭帯域テラヘルツキャリアをフォトニクス技術で発生させることができる。次に、単一走行キャリアフォトダイオードの出力が、ビーム集束アンテナで放射される。信号は、新規なテラヘルツミキサーと増幅器で構成されるミリ波モノリシック集積回路によって受信される。我々は、この方法によって、ワイヤレス通信を1 km以上の距離とTbit s−1のレートに拡張する道筋が得られると考えている。