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光励起室温GaAsナノワイヤーレーザー
Nature Photonics 7, 12 doi: 10.1038/nphoton.2013.303
近赤外レーザーは、光データ通信、分光法、医療診断に重要である。半導体ナノワイヤーは、三次元デバイス集積向けにデバイスの設置面積を小さくできる可能性があるため、オプトエレクトロニクスデバイスの分野で盛んに研究されている。可視と紫外のナノワイヤーレーザーは広く実証されているが、材料の品質問題とオージェ再結合のために、室温の赤外ナノワイヤーレーザーはあまり進歩していない。(Al)GaAsは、従来型のレーザーに広く使われている赤外レーザー用の重要な材料系である。GaAsの表面再結合速度は非常に大きく、ナノワイヤーデバイスは表面/体積比が大きいため、深刻な問題となっている。今回我々は、ファブリーペロー共振器を適切に設計し、材料品質を最適化し、表面再結合を最小化することによって、コア・シェル・キャップ型GaAs/AlGaAs/GaAsナノワイヤーにおける室温のレーザー発振を実証している。今回の実証結果は、近赤外波長で動作するナノスケールのオプトエレクトロニクスデバイスの設計に(Al)GaAsナノワイヤーレーザーを組み込むことへの大きな一歩となる。