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「トラクタービーム」を用いた光輸送、ソーティング、自己配列の実験的実証
Nature Photonics 7, 2 doi: 10.1038/nphoton.2012.332
光力に関するケプラーの考えに従うと、太陽光やレーザービームを照射された物体は光子の流れの方向に沿って加速されると直観的に予測されるだろう。最近の理論研究では、伝搬軸に沿って光強度が一様なビームでも、小さな粒子は光子の流れに逆らって光ビームに引っ張られることが示されている。今回我々は、そのような「トラクター」ビームを発生する配置を提示し、さまざまな大きさの球形微粒子を用いて、その機能だけでなく、微粒子が光学的に自己配列した構造によって機能が増強されることを実験的に実証した。我々は、粒子が引っ張られることに加えて、粒子の二次元運動と一次元ソーティングを、直線偏光した入射ビームの偏光を回転することで簡便に制御できる可能性も示している。この配置は比較的簡単であるため、広範な応用を促進するのに役立ち、継続的な研究により、さまざまな特性を持つより相互作用の大きい微小物体を組み合わせる研究を通して、光と物質の相互作用の理解が深まる。