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J会合体を有する金属ナノ構造体における励起子とプラズモンの間の超高速ラビ振動のリアルタイム観測

Nature Photonics 7, 2 doi: 10.1038/nphoton.2012.340

表面プラズモンポラリトン(SPP)は、金属と誘電体の界面における光励起であり、ナノスケールで光を導き、操作する大きな可能性を持つ。 しかし、非線形性が弱く、例えば全光スイッチング用や情報処理用といったアクティブデバイスの作製が困難である。最近、SPPと非線形量子エミッターの間で強い光学的双極子カップリングが実証された(最大で700 meVのノーマルモード分裂)。予測される量子エミッターとSPP場の間の超高速エネルギー移動は、ナノスケールにおいて光で光をスイッチングする重要な微視的機構になりうる。今回我々は、J会合体/金属ナノ構造体における超高速ラビ振動の初のリアルタイム観測を行い、励起子量子エミッターとSPP場の間でコヒーレントなエネルギー移動を示すことを報告する。我々は、10 fsの時間スケールで励起子密度を制御することにより、結合エネルギーのコヒーレント操作を実証している。これは、コヒーレントな全光プラズモニック回路やデバイスに向けた一歩である。

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