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自由空間での光双方向時刻・周波数比較

Nature Photonics 7, 6 doi: 10.1038/nphoton.2013.69

遠隔地間での高品質な時刻・周波数シグナルの比較は、正確なナビゲーションとタイミング、時計を用いた測地、長基線干渉法、コヒーレントレーダーアレイ、一般相対論と基本定数の検証、将来の秒の再定義など多くの応用の基盤となっている。しかし、フェムト秒レベルのタイミングジッターと1×10-17を超える精度を持つ最先端の光時計と光発振器にとって、現行のマイクロ波に基づく時間・周波数比較では不十分である。そのため、同等の光学的比較法が必要となる。今回我々は、各々が局所光発振器に位相同期したコヒーレントな周波数コム間の双方向交換を通して行う自由空間の光時刻・周波数比較を実証している。2 kmリンクにわたって大気乱流や障害物によってシグナルフェーディングが頻繁に生じるにもかかわらず、1 fsのタイミング偏差、1,000 sで1×10-18以下の残留不安定性、4×10-19以下の系統オフセットを実現した。この自由空間比較によって、時計を用いた測地を支援する地上波リンクが可能となる。衛星光通信と組み合わせると、地球規模の測地、高精度の時刻・周波数分布、衛星を用いた相対論実験に向けた道がもたらされる。

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