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回折限界以下の分解能の非蛍光種の遠方場イメージング

Nature Photonics 7, 6 doi: 10.1038/nphoton.2013.97

超解像光学顕微鏡法によって、ナノスケールのまだ見たことのない細部を観察できる新しい方法が得られる。現行の遠方場超解像技術は、読み出しに蛍光を使っている。今回我々は、空間制御した電子吸収の飽和を利用して、非蛍光種の遠方場イメージングの回折限界を破る方法を実証する。我々の方法は、変調したポンプ場によって試料の電荷キャリア密度に摂動を加えて、プローブ場の透過率を変調するポンププローブ過程に基づいている。次に、ドーナツ形のレーザービームを加えて、焦点体積の周辺部における電子遷移を過渡的に飽和し、逐次プローブパルスによって誘起された変調が焦点中心でのみ起こるようにした。3本の共線的に整列したビームのラスター走査を行って、グラフェンナノ小板の回折限界以下の高速イメージングを行った。この方法には、ナノ材料や非蛍光発色団の超解像イメージングを行える潜在能力があり、こうした対象は蛍光を用いる方法ではまだ手が届かない可能性がある。

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