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小型高繰り返し率コヒーレント100 eV放射源
Nature Photonics 7, 8 doi: 10.1038/nphoton.2013.156
受動共振器でレーザーパルスをコヒーレントに増強することによって、繰り返し率約100 MHzでの気体中の高次高調波発生に理想的な条件が得られる。最近、光子エネルギーが最高で30 eVの極端紫外放射が得られたが、これは20 eVにおける直接周波数コム分光には十分高い輝度である。今回我々は、これらの放射源をより高い光子エネルギーにスケーリングする手段を特定している。我々は、イオン化に制限される実現可能な共振器内ピーク強度が、パルス持続時間の減少とともに増加することを実証している。また、Yb系レーザーの非線形圧縮パルスを増強し、穴開き共振器ミラーを通して高調波を取り出すことによって、78 MHzで空間的にコヒーレントな108 eV (11.45 nm)放射を発生させている。今回実証した手法の可能性を十分活用すれば、光電子分光、フェムト秒からアト秒分解能のコインシデンス分光、ナノリソグラフィー用の部品や材料の特性評価など、多くの科学技術用途向けの高光子束超短パルス極端紫外光源が得られるであろう。