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回転ドップラー効果による分子回転の観測

Nature Photonics 7, 9 doi: 10.1038/nphoton.2013.189

回転する物体によって波が反射されると、その周波数はドップラーシフトする。同様に、回転する物体によって円偏光が散乱されると、回転ドップラー周波数シフトが観測される可能性があり、そうした例は、量子の世界(蛍光分光、回転ラマン散乱など)から衛星を利用した全球測位システム(GPS)にまでさまざまな分野で見られる。今回我々は、同期して回転する分子の気体中を伝搬する円偏光波について、ドップラー周波数シフト現象を初めて観測している。そうした回転分子集団は、ダブルパルスレーザー励起によって作り出された。つまり、第1のパルスが分子の向きを揃え、第2のパルス(45°の角度の直線偏光)が「分子プロペラ」を協調的に一方向回転させる。我々は、その結果生じた気体の回転複屈折を、入射プローブと逆向きに円偏光したドップラーシフト波を検出することによって観測した。

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