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半導体型と金属型のカーボンナノチューブにおける光電流発生

Nature Photonics 8, 1 doi: 10.1038/nphoton.2013.311

カーボンナノチューブにおける光電流発生の基本的機構は、長い間未解決の問題であった。光電流発生の際、電子と正孔がナノチューブを伝導する輸送様式は、光励起電荷キャリアの温度によって決まる。今回我々は、誘起pn接合を持つ金属型と半導体型のカーボンナノチューブデバイスについて2つの異なる光電流機構を特定している。電荷キャリアドーピングの関数として光電流測定を行ったところ、金属型ナノチューブに関しては、光励起ホットキャリアによって電流が発生する熱的起源が示され、半導体型ナノチューブに関しては、内部電界によって電子正孔分離が起こる光起電力機構が示された。今回の結果は、カーボンナノチューブの光応答の理解をもたらすものであり、基礎的に興味深いばかりでなく、カーボンベースの高効率光検出器やエネルギーハーベスティングデバイスの設計にも重要である。

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