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光のナノスケール電場と磁場の同時測定
Nature Photonics 8, 1 doi: 10.1038/nphoton.2013.323
ナノスケールで光–物質相互作用を制御することによって、量子光学、光起電力技術、通信などの分野が進歩してきた。フォトニックナノ構造体付近の局所電場の直接観測によって光のナノスケール挙動の理解が深まったことが、こうした進歩の大きな要因である。光の磁場成分に応答するメタマテリアルの登場に伴い、ナノスケール磁場を測定する方式が開発された。しかし、こうしたメタマテリアル構造体は光の磁場と相互作用するだけでなく、電場とも相互作用する。今回我々は、サブ波長分解能で電場と磁場の両方を本質的に同時検出できることを実証している。また、相反性を考慮して我々の測定結果を説明することによって、電場成分と磁場成分の望ましい特定の組み合わせに敏感なプローブの設計への方向性を示している。ナノスケールの電場と磁場の同時測定によって、新設計の光学ナノ構造体やメタマテリアルの実現に向けて道が開かれるであろう。