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フォトニクスチップ上の量子テレポーテーション
Nature Photonics 8, 10 doi: 10.1038/nphoton.2014.217
量子テレポーテーションは、量子物理学の基本的概念であり、量子リレー、量子リピーター、線形光学量子計算など、量子技術の重要な核心部分に応用されている。量子テレポーテーションのフォトニック実装では主に、デコヒーレンスのない量子通信のための長距離テレポーテーションの実現に重点が置かれてきた。量子テレポーテーションは、フォトニック量子計算でも決定的な役割を果たしており、そのための大規模線形光学ネットワークには、集積化アーキテクチャーが必要となるだろう。今回我々は、量子テレポーテーションの完全に集積化した実装について報告する。そこでは、回路の全ての重要な要素、つまり、もつれ状態の用意、ベル状態分析、トモグラフィーによる状態測定は、再構成可能なフォトニックチップ上で行われる。我々は、新しい要素評価法が、構成要素のエラーの軽減に極めて重要であることも示している。量子的に増強された演算のために、集積回路がさらに複雑化する必要があることから、この方法は今後ますます重要になるカギとなる技術である。