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真空ラビ振動の全光コヒーレント制御

Nature Photonics 8, 11 doi: 10.1038/nphoton.2014.224

原子と共振器が強く結合していると、この2つの系は真空ラビ振動というプロセスを通して、単一の量子励起をコヒーレントに交換できる。このプロセスを制御すれば、量子情報と量子測定で中心的な役割を果たす非古典光の精密な生成が可能になる。この制御は、マイクロ波周波数デバイスでは実現されているが、量子通信と量子計測学に不可欠な光周波数で実現することは難しかった。今回我々は、光周波数デバイスでの真空ラビ振動のコヒーレント制御を実証する。我々は、結合した2つのナノ共振器からなるフォトニック分子を使って、強い結合と共振器増強ACシュタルクシフトを同時に実現している。シュタルクシフトによって、単一量子ドットがピコ秒の時間スケールで同調してフォトニック分子と共鳴し、原子励起と光子励起の間でエネルギーが高速かつコヒーレントに移動する。こうした結果から、ナノフォトニックデバイスプラットフォームにおける光–物質量子相互作用の超高速制御が可能になる。

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