Article

コヒーレント・イジング・マシーンとしての時間多重光パラメトリック発振器ネットワーク

Nature Photonics 8, 12 doi: 10.1038/nphoton.2014.249

イジング・ハミルトニアンの基底状態を見つけることによって、生物学、医学、無線通信、人工知能、ソーシャル・ネットワークにおけるさまざまな組み合わせ最適化問題をマッピングできる。これまでのところ、こうした問題に対する効率的な古典的アルゴリズムや量子アルゴリズムは知られておらず、イジング・ハミルトニアンの絶対的基底状態や近似的基底状態を見つけることのできるイジング・マシーンという物理システムの開発に重点を置く研究が集中的に行われている。今回我々は、縮退光パラメトリック発振器(OPO)ネットワークを用いたイジング・マシーンについて報告する。OPOの閾値を超える二位相でスピンが表され、相互注入によってイジング結合が実現される。このネットワークは、多重フェムト秒パルス列と設定可能な相互結合によって単一OPOリング共振器において実装され、室温で動作する。4–OPOイジング・マシーン上で小規模な非決定性多項式時間困難な問題をプログラムしたところ、1000回の実行で計算エラーは検出されなかった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度