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有機電荷輸送層を用いたペロブスカイト型太陽電池
Nature Photonics 8, 2 doi: 10.1038/nphoton.2013.341
薄膜太陽光発電技術は、クリーンな再生可能エネルギーの探索において重要な役割を果たしている。最近、ハロゲン化鉛メチルアンモニウムというペロブスカイト型化合物が太陽電池の有望な吸収体であることが分かった。その後3年間で、ペロブスカイト型太陽電池の性能は急速に向上し、15%という高い効率に達した。これまで報告された高効率ペロブスカイト型太陽電池は全て、高温焼結過程を必要とするAl2O3、TiO2、ZrO2などの(メソスコピック)金属酸化物を利用したものである。今回我々は、ヨウ化鉛メチルアンモニウムというペロブスカイト型化合物層を2枚の薄い有機電荷輸送層で挟んでも、電力変換効率の高い(12%)太陽電池が得られることを示す。高い純度を確保するために、高真空チャンバー中で昇華させることによってペロブスカイト層を作製した。こうした単純な平面デバイス構造と室温蒸着法は、プラスチックや織物を含む多くの導電性基板に適している。