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室温溶液処理法で作製した平面ヘテロ接合構造を持つペロブスカイト型太陽電池
Nature Photonics 8, 2 doi: 10.1038/nphoton.2013.342
メソ多孔性骨格、ペロブスカイト型光吸収体、有機正孔輸送体を組み合わせた有機-無機ハイブリッド太陽電池は、溶液処理で作成できる太陽電池デバイスの最先端に躍り出た。しかし、そうした太陽電池は、メソ多孔性金属酸化物支持体を焼結するために、最高500℃の温度で処理する必要がある。今回我々は、CH3NH3PbI3系太陽電池の電子輸送層としてZnOナノ粒子薄膜を使用したことについて報告する。メソ多孔性TiO2とは異なり、ZnO層はかなり薄い上に、焼結を必要としない。我々は、これらの事実をうまく利用して、電力変換効率が10%を超えるフレキシブル太陽電池を作製した。堅い基板上に作製する電池の場合、ZnOの使用はデバイス性能の向上にもつながる。この設計に基づく太陽電池は、AM1.5G照明の下で測定すると、15.7%という高い電力変換効率を示した。つまり、これまで報告された中で、最高レベルの性能を示すペロブスカイト太陽電池といえる。