Article

マイクロ光共振器における時間ソリトン

Nature Photonics 8, 2 doi: 10.1038/nphoton.2013.343

連続波レーザーに駆動された非線形マイクロ光共振器において、時間散逸ソリトンが観測された。高Q共鳴の有効なゼロ離調点を通してレーザー周波数を調整し、その結果、有効な赤方離調ポンピングが生じたとき、ソリトンが自発的に生成した。ソリトン状態への転移には、共振器透過率の不連続なステップという特徴があった。このソリトンは、長期的に安定であり、ソリトンの数をポンプレーザーの離調を通して制御できた。こうした観測結果は、数値シミュレーションやソリトン理論と一致する。単一ソリトン領域で作動すれば、フェムト秒パルス列の連続出力結合がマイクロ共振器から直接可能になる。この方法によって、広帯域のレーザー利得媒質や可飽和吸収体が利用できないスペクトル領域において、超短パルスを合成できる。周波数領域では、単一ソリトン状態は、スペクトルエンベロープが滑らかな低雑音の光周波数コムに相当する。これは、広帯域分光法、通信、天文学、低雑音マイクロ波生成への応用に重要である。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度