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デーモン型アルゴリズム量子冷却と量子光学によるその実現
Nature Photonics 8, 2 doi: 10.1038/nphoton.2013.354
多体系の低温特性のシミュレーションは、依然として理論量子情報科学と実験量子情報科学における主要課題の1つである。我々は、量子コンピューターでシミュレートできるあらゆる物理系に適用可能な普遍的(擬似)冷却法を提示し、実験的に実証している。この方法によって、量子マクスウェルのデーモンのように量子状態の高温成分の蒸留と除去が可能になる。実験的実証は、量子光学ネットワークで実現され、その結果は0.978を超える忠実度で理論予測と十分に一致している。提案した擬似冷却法の応用には、古典的方法では扱いにくい物理系や化学系の低温特性のシミュレーションなどがある。