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ロバストなファイバーレーザー源を備えた誘導ラマン散乱顕微鏡法
Nature Photonics 8, 2 doi: 10.1038/nphoton.2013.360
誘導ラマン散乱顕微鏡法によって、標識不要な化学イメージングが可能になり、生物学、材料科学、医学においてエキサイティングな応用が可能になった。この手法は、自発ラマン散乱と比べるとイメージング速度において大きく有利であり、コヒーレント反ストークスラマン散乱と比べると画像のコントラストとスペクトルの忠実度が改善されている。しかし、この手法には、費用がかかり環境の影響を受けやすい、波長可変超高速二波長光源が必要であるために、さらに広く使われることはなかった。今回我々は、2つのピコ秒パワー増幅器の光同期に基づく、最適化全ファイバーレーザーシステムの開発を報告する。さらに我々は、増幅されたファイバーレーザーに固有の高周波数レーザー雑音の問題を回避するため、電圧減算自動平衡検出に基づく高速雑音相殺システムを開発した。我々は、ショット雑音に制限される感度と、最大毎秒1フレームのイメージング速度を備えた、ファイバーレーザーによる誘導ラマン散乱顕微鏡の妥協のないイメージング性能を実証している。