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非標識生細胞の白色光回折トモグラフィー
Nature Photonics 8, 3 doi: 10.1038/nphoton.2013.350
我々は、非標識生細胞などの微小な透明物体の画像化を目的とした白色光回折トモグラフィー(WDT)と呼ばれる手法について報告する。この手法は、回折トモグラフィーを白色光照明にまで拡張し、散乱面測定ではなく画像化を行うものである。我々の実験は、定量位相画像を測定するモジュールを用いて、従来の位相差顕微鏡を改良して行った。物体の軸方向の寸法は、物体を通して焦点を走査し、大量の位相分解画像を取得することによって再構成された。我々は、非標識生赤血球の3次元構造を再構成し、得られた結果を共焦点顕微鏡像および走査電子顕微鏡像と比較した。また、350 nmの横方向分解能と900 nmの軸方向分解能によって、大腸菌細胞における細胞内構造体が高分解能で明らかになっている。今回の結果は、非標識で非侵襲的に3次元細胞内構造を測定する手段としてWDTを確立するものである。