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軌道角運動量光子キュービット用の量子メモリー

Nature Photonics 8, 3 doi: 10.1038/nphoton.2013.355

光学自由度の中でも、光の軌道角運動量はユニークな特性をもたらす。例えば、力学的トルク作用(光操作に応用される)、イメージング技術における感度向上、光通信システム用の高密度情報符号化の可能性などである。また、近年、量子情報技術における単一光子レベルの軌道角運動量の利用に大きな関心が寄せられてきた。こうした取り組みを続ける中で、今回我々は、この光学自由度に符号化された量子ビット用の量子メモリーの実装を実証している。我々は、コンピューター制御ホログラムでさまざまなキュービットを生成し、動的電磁誘導透過プロトコルを用いてオンデマンドでキュービットの記憶・読み出しを行っている。また、読み出した状態を量子トモグラフィーでさらに解析することにより、古典的基準を超える忠実度を実証している。その結果、我々の記憶プロセスの量子機能が確認されている。我々の研究結果は、量子情報用の光子軌道角運動量の有望性を探る将来のネットワークのために、不可欠な機能を提供するものである。

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