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中空コアフォトニック結晶ファイバーにおける広帯域単一光子レベルメモリー
Nature Photonics 8, 4 doi: 10.1038/nphoton.2014.45
全光信号処理用光バッファーや量子情報処理用量子メモリーを実現するには、光に符号化された情報の記憶が重要である。こうした提案には、原子と明確な光モードの効率の高い相互作用が必要である。フォトニック結晶ファイバーは、光–物質相互作用を増強することができ、さまざまな非線形効果をもたらしている。しかし、光の保存は困難であることが分かっている。今回我々は、中空コアフォトニック結晶ファイバーにおいて光メモリーを初めて実証したことを報告する。我々は、大きく離調したラマン相互作用を用いて、セシウム原子の超微細コヒーレンスにギガヘルツ帯域幅の光を室温で保存している。単一光子レベルで、信号対雑音比2.6:1と、メモリー効率27±1%が実証された。今回の結果は、量子情報ネットワークのローカルノードの実装に向けて室温ファイバー集積型光メモリーの可能性を示すものである。