Article
厳密局所性条件下における実験的3光子量子非局所性
Nature Photonics 8, 4 doi: 10.1038/nphoton.2014.50
量子相関は、ベル不等式の破れとして観測されることが多く、量子世界を理解する上で極めて重要であり、その技術的影響や基礎的影響は広い範囲に及んでいる。多くのベル不等式のテストで、相関粒子の対が研究されてきた。しかし、多粒子量子相関への関心の高まりから、実験の最先端ではさらに大規模な系がテストされるようになっている。これまでの破れは全て、結果に抜け穴を開ける補足的な仮定を必要としており、抜け穴を閉じることが量子科学における最も重要な課題の1つになっている。独創的な実験によっていくつかの抜け穴が閉じられたが、3つ以上の粒子を用いて局所性の抜け穴を閉じた実験はなかった。今回我々は、3光子グリーンバーガー=ホーン=ツァイリンガーもつれ状態を独立した複数の観測者に配ることによって、局所性の抜け穴と選択の自由の抜け穴を閉じている。我々は、パラメーター2.77 ± 0.08でマーミンの不等式の破れを測定し、その古典的限界を9標準偏差で破った。こうした結果は、多者間量子通信におけるマイルストーンであり、量子力学の基礎における大きな進歩である。